漢方基礎講座第2回
四診
漢方・中医学での診断は病名を決めるのではなく証を求めるためにあります。証はただ単に症状や病状を意味する言葉ではなく、病人の状況、状態、病気の性質、強さ、深度などを分類、測定するものです。
近現代的医学の診断方法が役立つこともありますが、伝統的な思考法に基づく方法を用いることで誤診・誤治を防げます。
漢方独特の診断方法を四診(ししん)と言います。
望(ぼう)、聞(ぶん)、問(もん)、切(せつ)の四つで成り立ちます。
・望診→聞診→問診→切診の順で優先順位があり、矛盾が生じた場合はより左側の判断が優先されます。
望診:これは診断者、治療家側が目で見て得られた情報により判断する事です。
顔色や病変部位の色、舌の状態、肌の状態など。最も優先される情報です。
聞診:声の大きさなど耳から得られる情報、臭いもここに含まれる。
問診:通常用いられる問診とほぼ共通しますが、尿などの排泄物から得られる情報や、血液検査などのデータもここに含まれます。
切診:脈診、腹心など手を触れて得られる情報
・体そのものから得られた情報は、排泄物、分泌物から得た情報より優先される。
・体全体から得られた情報は、体の局部から得られた情報より優先される。
・上部の情報は下部の情報より優先される。
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