治病求本

=病を治するには必ずその本を求む=

漢方基礎講座第1回

基礎理論 =証とは何か=

漢方基礎講座第1回 分類記号化

漢方医学は100年ほど前まで人類史上最高の科学であったと言えますが、その思考法は現代科学のそれと完全に重なるものではなく、漢方を理解し誤らずに用いるには、その独自の思考法を用いなければなりません。言い換えれば漢方を理解するには、普段我々が用いているのとは違う、もう一つの科学が必要になります。

漢方理論は難しいものではありません。極めて単純明快です。ただ漢方治療に関わる多くの方、いや一部かもしれませんが、その単純明快さを知らないために迷路に陥っていることも多いです。ここでは最も簡単な漢方治療の基礎を何回かに分けて解説したいと思います。

分類と記号化

最も基本となる思考法 ・二者択一の分類

陰陽図



人が物事を考えるとき、理解するとき、もっとも単純化すれば、それはどちらか、 右か左か?黒か白か?生か死か?どちらか一つを選ぶ二者択一を行うだけになります。 複雑な、曖昧に見えることも、二者択一がいくつも重なりあっているだけにすぎない。 コンピューターが理解できるのは0と1の二つの数字だけであり、 この0と1を繰り返し重ね合わせることで複雑な作業をこなすようにできている。 人間の脳も突き詰めていけば、ONかOFFか、あるのかないのか、神経細胞が繋がって いるのかいないのか、二者択一の繰り返しを行っているだけ。

・記号化

熱・寒
実・虚
表裏 肝・腎・脾

などは漢方独自の記号、専門の言葉として受け入れてください。

弁証と診断

西洋医学では病気を治療する際、まず診断して病名を決めます。

そしてその病名に対応する治療が行われます。

症状があっても病名が決まらなければ治療は行えないことがあります。

診断ー病名確定→病名ー治療法

漢方では弁証と言い、まず証を決めます。証が決まればそれに対する治療が行われます。

弁証ー施治

証とは病名や症状ではなく、体の偏りや病気の深度など病人の状態を分類位置づけるものです。病人の住所のようなものです。そしてその住所に、対応する治法があるわけです。

(秀峰堂中医学研究所講義録より)

 

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